「童謡・唱歌の世界」のMIDIの曲を使用させて頂きました。


カナディアン・ロッキーへの旅

 2014年5月26日から6月7日までの13日間、2年ぶりに海外旅行でカナダへ行ってきました。今回はアメリカ在住の友人の菅夫妻と一緒に、レンタカーを利用して、まだ山の峰に残雪が残り、湖水も凍ったままの、カナディアン・ロッキーの山々を展望する旅でした。


Calgary-Banff-Jasperの道路地図

 成田空港からカルガリーへ直行便で飛び、カルガリーから高速道路1号線をバンフおよびレーク・ルイーズへ行き、、さらに Icefields Parkway (93号線)でジャスパーへ行き、、カナディアン・ロッキーの最高峰ロブソン山を初め、ジャスパー周辺の山や湖水群を見て回りました。


 



バンフ近郊の風物

カルガリーから友人の夫妻が運転するレンタカーを利用してバンフへ行きました。ここで3泊して、バンフ国立公園内の観光をしました。まず、ゴンドラでサルファー山に上り、雪に覆われたロッキーの山々を展望したり、高速道路1号線をレーク・ルイーズまで走り、まだ湖水が凍っているルイーズ湖をみたり、バンフの街の周辺にある湖水群や滝をを見たり、また市内や博物館などの街歩きを楽しんだりしました。




バンフ大通りから見たカスケード山

 バンフはカナディアン・ロッキーの中心の街で、街の南にあるサルファー山(2285m)へはゴンドラに乗って山頂の展望台まで上り、さらにもう一つのピーク(サンソン・ピーク)にある旧気象観測所まで、木道の遊歩道を通って行くことができます。山頂からはバンフの街やバンフ周辺の雪を頂く数多くの山々、ボウ川やボう滝、周辺の湖水群が展望できます。バンフの大通りには多くの商店や土産店、飲食店が立ち並び、街の北側にはバンフを象徴するカスケード山(2998m)がそびえています。




カスケード山

 バンフ大通りから見た残雪のカスケード山です。F8号の大きさで描いた絵で、第33回「八雲展」(2015年)に出品した作品です。




サルファー山の展望台

 バンフの街の南側にそびえるサルファー山へはバンフ・ゴンドラで山頂(2285 m)の展望台まで行けます。山頂からはバンフの街とボウ川が眼下に見え、雪を戴くロッキーの山々を360度 展望することが出来ます。山頂の隣にはサンソン・ピークと呼ばれる気象観測所がある もう一つのピークがあり、木道の階段や遊歩道を利用して行くことが出来、途中でリスが餌をねだって近寄ってきました。




バーミリオン湖から見たランドル山

今回はカナディアン・ロッキーの拠点バンフの街に往復4泊し、ゴンドラで登れるサルファー山を初め、街の内外の観光地をゆっくり回ることができました。バンフの街の周辺には多くの湖水がありますが、街の西側にあるバーミリオン湖は3つの湖に分かれていて、野生の動物や魚などの生息地となっています。バンフの街の西側にあって、傾いた1枚板状にそびえるランドル山(2,949m)も、まだ雪が降り積もった背後の層状の崖がよく見えて、その影を湖面に映していました。




ジョンソン湖

 バーミリオン湖で、地元に住む写真家の北濵氏とガイドの宮田氏との出会いがあり、バンフの郊外にあるジョンソン湖を案内していただき、一緒に湖水を一周するトレッキングを経験することができました。ちょうどランドル山の山並みがキャンモアの街の方へ連なる姿を眺めることができました。




ビーナスのスリッパ(ホテイラン)

 高さ10cm程のラン科の植物で、ジョンソン湖を初め 行く先々の各地で、その可憐なピンク色の花の姿を目にすることができました。北濵氏からその撮影法を教わったりしました。宮田さんが調べて下さいましたが、花の唇弁の下にある距(小さな突起)のあるものがホテイラン、小さくて見えないものはヒメホテイランと言うそうです



ビッグホーンシープ(オオツノヒツジ)

 ジョンストーン渓谷からの帰途、Bow Valley Parkway(旧道1号線)をバンフへ戻る途中、ビッグホーン・シープ(オオツノヒツジ)に出会いました。渦を巻いたような大きな角を持ったオスと共に、数匹のメスや子供の群れが、滝のある水場近くの道路を悠然と歩いていました。




バンフからジャスパーへ

 バンフからはバンフ国立公園内を1号線でレーク・ルイーズ(Lake Louise)まで行き、そこから先は Bow川に沿って Icefields Parkway(93号線)を233km 走ってコロンビア大氷原の観光センターへ行き、ここで大氷原から流れ出るアサバスカ氷河の上を、雪上車のツアーで行って氷河の上を歩きました。センターからはからジャスパー国立公園に入りますが、氷河を源流とするサンワプタ川に沿って雪をかぶった両岸の山々や滝を眺めながらジャスパー(Jasper)の街に入り、ジャスパー駅前のホテルで3泊しました。ジャスパーではトラムウエイでウイスラー山(The Whistlers)にり、ジャスパーの街や周辺の山々を眺めたり、周辺の湖水群や渓谷を訪れたり、カナディアン・ロッキーの最高峰ロブソン山(Mt. Robson)を見に行ったりしました。




国道1号線から見たキャッスル山

 バンフからルイーズ湖やモレイン湖のあるバンフ国立公園の中心地レイク・ルイーズへは、トランスカナダ・ハイウエイ(国道1号線)で行きますが、途中行く手に城塞のようにそびえるキャッスル山(2862m)が見られます。以前は一時アイゼンハワー山と改称されたこともあったそうですが、現在は東の峰がアイゼンハワー・ピークと呼ばれています。キャッスル山の麓には、ボウ川へ合流するジョンストーン・クリーク(渓谷)があります。




ルイーズ湖

 バンフからトランスカナダ・ハイウエイ(1号線)を北西に走ると、レイク・ルイーズのジャンクションで、ヨーホー国立公園へ向かう1A線とジャスパーへ向かう93号線とに別れ、更に西へ4 kmほど入ると“ロッキーの宝石”と呼ばれる美しいルイーズ湖があります。湖畔にあるフェアモント・シャトーから、ルイーズ湖の対岸にビクトリア山とビクトリア氷河が眺められますが、我々が行ったときは湖面が氷結していて雲が低く垂れ込み、山が霞んで幻想的な風景が見られました。




湖面が氷結しているモレイン湖

 今回、ジャスパーからの帰路の途中に訪れたモレイン湖は、6月に入っていましたが、道路の開通直後で訪れる人も少なく、また湖水の水量も少なくて湖面の水が凍結しており、湖を囲むテン・ピークスの峰々にも雪が多く残っていて、まだ冬の景観でした。しかし、並び立つ高い山々に囲まれた威圧感が感じられて、やはり素晴らしい眺めでした。



湖面に山影を映すモレイン湖

カナディアン・ロッキーの風景を代表するモレイン湖は、湖水を取り巻くテンピークス(Ten Peaks)と呼ばれる山々に取り囲まれて、その残雪をまとった山の姿が水面に映り、カナダの旧20ドル紙幣にも描かれていた美しい風景です。今回は残念ながら見られませんでしたが、今回の旅行に行く直前の5月に開催された「八雲展」(www.yakumoten.com)には、F8号で描いた同じモレイン湖の風景画を出品しましたので、ここに一緒に掲載しました。



ジョンストーン渓谷

 バンフからレイク・ルイーズまでトランスカナダ・ハイウエイ(1号線)と平行して旧道のボウバレー・パークウエイ(1A号線)がボウ川に沿って走っており、キャッスル山の傍のジョンストーンクリークとボウ川の合流地点にジョンストーン渓谷があります。渓谷にはロウアー滝とさらに1.6km先にアッパー滝があり、その間は狭い絶壁の峡谷の流れの上に架けられた桟道を歩きます。この絵はロウアー滝で、岩の割れ目の洞窟を通って、霧状の水煙に煙る滝壺展望台へ行くことができます。



氷結したボウ湖

 ボウ川の源流にあるボウ湖はボウ氷河が流出した氷河湖で、レイク・ルイーズからジャスパーに向かう93号線の道路沿いに広がっています。ここも5月末はまだ氷結しており、湖畔も残雪が堆積していて、湖畔のロッジもまだ開業していませんでした。




コロンビア大氷原から流れ出たアサバスカ氷河

 ロッキー山脈の中心部には総面積325平方kmにも及ぶ巨大は大氷原があり、三つの海洋に向かって氷河として流出しています。その一つのアサバスカ氷河がアイスフィールド・パークウエイの近くで見られ、雪上車(スノーコーチ)に乗って氷河の上を走り、氷河の上を歩けるツアーがあります。この絵はビジターセンターから見たアサバスカ氷河で、地球の温暖化に伴って毎年、その末端が後退しているようです。氷河の両側には氷河が運んだ土石の堆積物が山状に残されており、雪上車はその急斜面を昇り降りします。



カーケスリン山とアサバスカ滝

 アサバスカ滝 (Athabasca Falls)はジャスパー国立公園内にあって、広い川幅で流れて来たアサバスカ川(Athabasca River)が、狭い渓谷状の水路へと流れ落ちる所にあります。滝のすぐ傍の上下左右のいろいろな場所から眺められ、水量が多いので迫力があります。水は層状に積み重なった狭い水成岩の間を急流となって流れ、再び広い川原へと流れ出ます。後方の山はカーケスリン山(Mt. Kerkeslin, 2955m)です。



ジャスパー近郊


 ジャスパーの街の南側にはウイスラー山(2466m)があり、ジャスパー・トラムウエイのゴンドラで山頂駅まで行って、街を見下ろしたり、雪を頂く周辺の山々やエメラルド色に輝く湖水群を展望することができました。またジャスパーの街の周辺にある湖水群を訪れてその美しい湖畔風景を眺めたり、ファイブ湖(Five Lakes)では、湖水巡りのトレッキングをしたりしました。ジャスパーの東南方向にある名勝地のマリーン湖(Maligne Lake)にも行って遊覧船に乗り、湖上から周辺の景色を眺める予定でしたが、湖面が氷結しているとの情報を得たので、予定を変更してジャスパーから16号線を西に走り、ロブソン州立公園の観光センター、およびさらにその西にあるリアガード滝(Rearguard Fall)まで行き、カナディアン・ロッキーの最高峰ロブソン山(3954m)の美しい雪山の姿を眺めてきました。帰路は再び Icefield Parkwayを利用してバンフへ戻りました。




ジャスパー駅から見たイデス・キャベル山

 カナダのグランド・トランス太平洋鉄道が開発したジャスパー駅はジャスパー国立公園の根拠地で、市の南西に位置するウイスラー山(2464m)へはトラムウエイのゴンドラで山頂まで登れます。ウイスラー山頂からはジャスパーの市街や周辺に点在するエメラルド色の湖水群が眺められます。また、ウイスラー山と並んで、黒い岩壁に縞状に万年雪をまとったイデス・キャベル山(Mt.Edith Cavell, 3363m)が、ジャスパー駅から南方向に眺められました。



エメラルド色のファイブ湖

   ジャスパーの郊外、コロンビア大氷原へ向かう93号線からマリーン山地へ少し入った自然林内にある5つの湖が並ぶファイブ・レークス(Valley of the Five Lakes)は、誰でも歩きやすいハイキングコースです。どの湖も、エメラルド色の美しい風景が見られましたが、熊など野生動物の生息地なので、少人数で行動せず、出来るだけ集団で行動することがお勧めです。私達も途中で林公子さんらの若者グループに出会って一緒に行動したため、山道で黒熊(black bear)に遭遇しましたが、固まって静観し、無事にやり過ごすことが出来ました。



パトリシア湖に映るピラミッド山

 ジャスパーのすぐ北側にパトリシア湖(Patricia Lake)とピラミッド湖(Pyramid Lake)が並んでいますが、いずれも湖畔に背後のピラミッド山(Pyaramid Mt., 2762m)の5色に彩られた岩山や周辺の森林の木々が湖水に映えて、素晴らしい彩りのある風景が見られました。



ピラミッド山

 ジャスパーの街から街の北側にあるパトリシア湖までは4 kmほどで、湖畔からは背後にそびえる赤や黄色に岩肌が輝くピラミッド山が大きく見えます。カナダの水成岩地には古代の貝の化石が多く見られますが、オパールのように光り輝くアンモナイトの化石が「アンモライト」という宝石として産出してカナダの土産品となっており、ピラミッド山も巨大な美しい宝石のように見えました。



アンモナイトの化石“アンモライト”




ビジター・センターから見たロブソン山

 ジャスパーからハイウエイ16号を西へ20 km ほど行くとブリティッシュコロンビア州に入りますが、そこがマウント・ロブソン州立公園の入口です。16号沿いのビジター・センターから、目の前にそびえるカナディアン・ロッキーの最高峰の美しいロブソン山(Mt. Robson, 3954m) が真直に大きく眺められます。州立公園内にはいくつもの登山道がありますが、いずれもキャンプが必要な登山コースで、訪れる人も少ないようです。



カナディアン・ロッキーの最高峰ロブソン山

 ビジターセンターよリさらに国道16号線を西に行った「ロブソン山州立公園」の標識のある場所で見たロブソン山です。カナダの最高峰だけあって、威厳のある素晴らしい残雪模様をまとった山の姿を見せてくれました。この風景を美術展の出品用にF8号で描きましたが、駐車場脇に立つマウンテン・シープ像を載せた「ロブソン山州立公園」の標識と樅の木の絵をマットの前に入れて、立体的に表現したものを第33回『八雲展』(2015年)に展示しました。




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