「童謡・唱歌の世界」のMIDIの曲をBGMに使用させて戴きました。


エジプト・トルコの旅

 2006年3月29日から4月10日まで,トラピックスの旅「エジプト・トルコ13日間」に参加してキリスト教の古代文明とイスラム教の現在の文明に触れる旅をしてきました。
 エジプトの訪問地はカイロとアレキサンドリアで,ギザの3大ピラミッド,オールドカイロのコプト教(古代キリスト教)の教会,ムハマンドアリ・モスク,そしてエジプト考古学博物館とアレキサンドリア国立博物館など,またトルコはイスタンブールからバスとフェリーを利用してトロイ,アイワルク,エフェソス,パムッカレ,コンヤ,カッパドキアなどの世界遺産を見て回り,アンカラから夜行寝台車でイスタンブールへ戻るというバラエティーに富んだツアーの旅でした。この旅行中に見た景色のごく一部だけですが、水彩ペン画で描いたものを今回 再掲載しました。
 


エジプト・アラブ共和国

 このツアーはエジプト航空直行便を利用したため,エジプトのカイロが起点と終点になりました。ギザのピラミッドとスフィンクス,カイロ考古博物館のツタンカーメンなどの王朝文化の遺物,プトレマイオス朝の遺跡や遺物,原始キリスト教の流れを汲むコプト教の教会などを見てきました。
 また,10日目にカイロに戻り,翌日は列車でアレキサンドリアに行き,グレコローマン時代の遺物を展示するアレキサンドリアの国立博物館,プトレマイオス朝の遺跡ポンペイの柱,古代の共同墓地カタコンベなどを見,最終日はカイロのモハメドアリ総督の宮殿マニアルパレスを見てエジプト航空機で帰国しました。



   エジプト考古学博物館:有名なツタンカーメン王の黄金のマスクを初め古代王朝の王墓から発掘された考古品を展示している博物館の入口です。数年後にはギザに新設される博物館に移転するようです。



 ピラミッドへの落日:カイロ郊外ギザの丘にある三つのピラミッドのうちのメンカウラー王のピラミッドの肩に太陽が沈むところです。ナイル河畔を走るバスの車窓から見た美しい日没風景です。



 スフィンクス:ギザにあるカフラ王の巨大なピラミッドの前にあるスフィンクス像です。周辺は発掘調査が進められているなかを、大勢の各国の観光客が押し寄せておりました。



   ガーミア・ムハンマド・アリ:カイロ市の東南の丘にあるシタデル要塞の城壁の中にある高いミナレットを持つモスクで,オスマン帝国から独立し,エジプトの近代化に貢献したムハンマド・アリを記念して1857年に完成した巨大なモスクです。



 アル・モアラッカ教会:4世紀にバビロン要塞のあった「オールドカイロ」の地に建てられたコプト派(原始キリスト教の流れを汲む派)の教会です。内部には木製のイコン画像が多数飾られています。周辺にはバシリカ様式の古い教会が多数あります。


  トルコ共和国

 4日目から10日目まではイスタンブールへ飛び,トルコ西部のエーゲ海に面したトロイ遺跡,エフェソス遺跡を見学したのち,シルクロードに沿って内陸部に入り,パムッカレのヒエラポリス遺跡と石灰棚の奇観,コンヤのメブラーナ博物館,隊商宿などを見た後カッパドキア地方に行きました。
カッパドキアでは,きのこ岩の奇岩が立ち並ぶ風景や,カイマルクの岩窟内の地下都市,イスラム教徒の迫害を逃れて4世紀から13世紀頃まで石灰岩の洞窟に隠れ住んでいた多くのキリスト教徒の教会や修道院(ゼルヴェ野外博物館,ギョレメ野外博物館,ソアンルの教会群など)を見ました。特に岩を穿って作られた古代のキリスト教会には鮮明な壁画や修道者の生活した跡が残されており,ツアーガイドの Ali さんの解説も詳しくて,古代キリスト教の歴史や生活の知識を学ぶことが出来ました。
 カッパドキアからは塩の結晶で真っ白なトゥズ湖を経てアンカラに到着,夜行の寝台列車でイスタンブール戻りました。イスタンブールではブルーモスク,アヤソフィア,トプカプ宮殿などを見学しました。



 トロイの遺跡と木馬:木馬伝説で有名なトロイの遺跡は,シュリーマンが発掘して多くの財宝を発見した遺跡として有名ですが,紀元前3,000年の第1市から紀元前350年の第9市までの遺跡が重なっており,遺物がそこら中に散乱していて,その保存や復元状態もよくありません。



 エフェス(エペソ)の都市遺跡:ローマ時代の紀元前2世紀から紀元3世紀頃まで繁栄したエーゲ海に開けた港町の都市遺跡。劇場,競技場,図書館,浴場,神殿など多くの遺物や建物が発掘・復元されて展示してあります。この絵は「セルススの図書館」で,壁に4体の代理石像が立っています。



 聖母マリアの家:イエス・キリストの昇天後,聖ヨハネと共に移り住み,余生を送った跡といわれる場所に建てられた石積みの小さな教会。キリスト教徒の聖地となっています。



 アルテミス神殿跡:エフェス遺跡の近くにあって,かつて世界七不思議の一つに数えられた紀元前6世紀に建てられた神殿跡です。127本の大理石の円柱を持つ壮麗なイオニア式の神殿であったというが,現在は広い湿原の中に復元された柱が1本立っているだけです。前方のアヤソルクの丘に聖ヨハネ教会があり,その左に14世紀に建てられたイーサ・ベイ・ジャミイのモスクが見えます。



 カッパドキアの奇岩群:トルコ中央アナトリア高原に広がるキノコ状の岩山で,長い年月の侵食・風化によって奇岩が形成されたものです。その岩窟には地下都市や城塞,古くは4世紀頃から13世紀頃までの美しいフレスコ画が描かれた教会堂などが散在しています。



 ウチヒサールの要塞:カッパドキア地方で最も高い所にある村。岩をくり抜いた要塞や住宅があって今でも使用されています。トルコ絨毯を鞍に置いた好奇心の強いラクダと一緒に描きました。



 ギョレメ野外博物館:カッパドキアに4世紀頃から多くのキリスト教徒が共同生活を営んでいたといいます。9世紀頃からイスラム教徒の圧迫を逃れた信者たちが洞窟の中に多くの教会や修道院を造り,現在では7〜11世紀頃に造られたフレスコ画で内部の壁を装飾したいくつかの教会跡を見ることが出来ます。



 ブルー・モスク:イスタンブールの旧市街に建つスルタンアフメット・ジャミイという巨大なモスクで,6本のミナレットが立っています。礼拝堂の大ドームは高さ約43メートル,50数メートル四方の空間で,美しい図柄の17世紀のイズニックタイルの壁面やステンドグラスの窓,吊り下げられた照明灯などで装飾されています。



 アヤソフィア:紀元360年にコンスタンチヌス2世によりキリスト教会堂として建てられ,オスマン・トルコ時代にモスクとなった大聖堂です。直径は約31メートル,高さは56メートルのドームを大きな回廊が取り囲む世界最大級の聖堂です。



 トプカプ宮殿の表敬の門:メフメット2世により15世紀に建てられたオスマン・トルコ帝国の歴代スルタンの居城です。現在は博物館となっており,多くの宝物や展示品,ハレムの内部を見ることが出来ます。表敬の門はその入場口になっています。


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