「童謡・唱歌の世界」のMIDIの曲を使用させて頂きました。


北海道の風景(その3)

 2011年の8月に北海道へ行きました。大雪山山麓の旭岳温泉に一泊しましたが、今回の大雪山への登山は、裏側の層雲峡から黒岳へ登るコースを歩き、黒岳頂上から大雪山の山々を眺めてきました。今年は東北海道の釧路と網走へ行き、また、富良野・美瑛・千歳・札幌周辺の街や温泉地などを巡り歩き、その風景や歴史的な建造物などを見てきました。ここには大雪山の山々と、今回訪問した北海道各地の風景の幾つかを水彩ペン画で描いたものを掲載しました。



fus
大雪山の山々



姿見の池」の水面に映る「旭岳」

 私たちは大雪山系の最高峰 旭岳(2,290m)山頂には2回ほど登山しました。いずれも東山町の旭岳温泉「大雪山山荘」に宿泊した後、旭岳ロープウエイで1,600mの姿見駅まで行き、山裾にある地獄谷のあちらこちらから噴煙を上げている旭岳を眺めながら山頂へと向かいました。姿見駅の周辺は旭平と呼ばれる平地で、いくつかの小さな火口湖状の沼があります。沼を巡る遊歩道の周囲に咲いているチングルマ、アオノツガザクラ、エゾオヤマノリンドウなど高山植物のお花畑を眺めながら山歩きを楽しみましたが、姿見の池に逆さまに映る旭岳の姿は何回見ても美しいものです。


大雪山の「比布岳」から「当麻岳」への連山

 旭岳山頂を黒岳方面へ下ると、御鉢平(おはちだいら)と呼ばれる火山の噴火と陥没で出来たカルデラ地形(立ち入り禁止)の外輪山を回って黒岳・層雲峡へ向かう縦走路が続いておりますが、途中の中岳分岐から、紅葉が始まった比布(ひっぷ)岳−安足間(あんたろま)岳−当麻(とうま)岳の連山を眺めながらピウケナイ沢の源流にある露天風呂の中岳温泉へ下り、裾合平(すそあいだいら)を経て姿見駅へ戻るコースを歩きました。


天人峡にある名瀑「羽衣の滝」

 旭岳温泉の尾根を隔てた南には天人峡があります。温泉街を流れる忠別川の両岸は柱状節理の絶壁が続き、その峡谷の中に天人峡温泉があります。ここには天女の羽衣を思わせる優雅な落差270mの「羽衣の滝」がありますが、この絵は高い絶壁の上から、岩壁を5段になって水が滝壺へ流れ落ちる最下段の滝を描いたものです。


層雲峡の双瀑台から眺めた銀河の滝と流星の滝

 上川町にある層雲峡は、石狩川の両岸に切り立った柱状節理の断崖が連なっている峡谷で、幾つかの滝がその間から流れ落ちています。駐車場脇の山道を15分ほど登って双瀑台の展望台に立つと、不動岩を挟んで二つの滝(銀河の滝と流星の滝)の全貌が眺められ、流星の滝の落ち口から顔を覗かせている黒岳の山頂を見ることができました。


大雪山の「黒岳頂上」より旭岳方面の展望

 層雲峡温泉よりロープウエイ・リフトを乗り継ぎ、黒岳7合目より頂上へ向かって登山しました。頂上からは残雪が残る大雪山の山々が眺められ、旭岳から黒岳へ縦走してくる登山者の姿も見られました。また外輪山に囲まれた御鉢平のカルデラの向こう側に、今朝ほど旭岳温泉から見た大雪山の最高峰「旭岳」の頂上を展望することが出来ました。


黒岳のお花畑

 黒岳登山路の9合目にある「まねき岩」付近の斜面はお花畑となっており、ウラジロナナカマド、キタアザミ、ダイセツトリカブト、チシマヒョウタンボクなどの高山植物の花が咲き乱れています。また西側の石狩山地の遙か遠くには、雌阿寒岳や雄阿寒岳などの山々が霞んで見えました。



北海道各地の風景



「富田ファーム」のお花畑

 富良野や美瑛の丘陵地帯には、幾つかの観光農園があります。今回は初夏の頃に咲きそろう爽やかな香りに包まれたラベンダー畑で有名な中富良野町の富田ファームへ行き、その華やかなお花畑を眺めてきました。農場内にはラベンダーのオイル蒸留装置や石けんなどの加工施設や農場の歴史館などもあります。


塘路駅に着いた「くしろ湿原ノロッコ号」

 釧路の街で一泊した後、釧路駅から運転期間限定の「湿原ノロッコ号」に乗車して釧網線の釧路−塘路間を走りました。ディーゼル機関車に牽かれた客車に乗って、遠くの阿寒連山を眺めながら蛇行する釧路川に沿って、広い釧路湿原の中を塘路湖のある塘路駅まで約45分の列車の旅でした。


「釧路川」でカヌーの川下りを楽しむ

 塘路からは釧路川を小型カヌーで川下りをしました。「ファミリーとうろカヌー」という会社のカヌーで、塘路湖から細岡までスタッフが周りの景色の説明をしながら一緒に漕いでくれましたが、広大な釧路湿原の風景を眺めながら、9 kmの距離を1時間30分ほどかけて、爽やかな川下りの船旅を楽しむことが出来ました。


ランプの宿「森つべつ」(津別町)

 釧路湿原を見たあと、屈斜路湖西岸から津別峠を越えて津別町に入り、自然の森に囲まれた奥屈斜路温泉のホテル「森つべつ」で一泊しました。宿の周辺は清流が流れる森林に囲まれており、自然林の小径を散策しながらクリン草の群生なども見ることが出来ます。


能取(ノトロ)岬

 網走市の北側のオホーツク海に突き出た岬が能取岬です。岬の断崖の上は牧草地で、大正6年製造の八角形の灯台が建っています。ここは冬には流氷の観察地として、また中国の観光客には中国映画「非誠勿擾」の撮影地として知られています。岬の西側にはアッケシ草の群生する能取湖が広がっています。


北海道開拓の村:「旧開拓使札幌本庁舎」

 札幌市厚別町の野幌森林公園の一角に、明治から昭和初期にかけて建築された北海道各地の建造物52棟を移築・復元した「北海道開拓の村」という野外博物館があります。この建物は明治6年(1873年)に建てられた「北海道開拓使札幌本庁舎」を再現したもので、内部はビジターセンターとして使われています。


北海道開拓の村:「旧浦河公会会堂」

 北海道開拓の村の中にある「旧浦河公会会堂」は明治27年に北海道開拓会社「赤心社」によって建てられた木造2階建てのキリスト教の礼拝・集会所です。


札幌ファクトリー

 明治の北海道開拓時代に、生産した農産物などを加工販売する官営工場が次々と建設されました。札幌市内の北二条通にある「札幌ファクトリー」は、明治9年(1876年)に建築された旧開拓使麦酒醸造所の煉瓦造りの建物を利用した新しい街で、多くの商店や飲食店が入っています。また、この周辺には、この頃に建てられた教会や商店などが残されています。


サッポロビール博物館

 札幌駅を東へ向かって歩くと、苗穂駅の北側にショッピングモール「アリオ」に隣接してサッポロビール園と煉瓦造りのサッポロビール博物館があり、130年を超えるビール製造の歴史やその工程を紹介しています。


支笏湖(しこつこ)と風不死岳(ふっぷしだけ)

 千歳市の西方に樽前火山がありますが、周囲を恵庭岳、風不死岳などの山々に囲まれた最大水深 363 m のカルデラ湖が支笏湖で、アイヌ語の「シ・コッ」(大きな窪地の意)が語源といわれています。風不死岳の南東側に活火山の樽前山の火山ドームがあり、苫小牧・白老方面から時々水蒸気の煙が上がっているのが見られます。この風景は支笏温泉街の湖畔から眺めたものです。


丸駒温泉の露天風呂

 支笏湖湖畔の西側の森の中にある丸駒温泉の露天風呂は、支笏湖の水面と石垣を隔てて接しており、湖の水位によって自然石でできた浴槽池の深さも変わります。入浴しながら支笏湖と風不死岳(ふっぷしだけ)などの風景を眺められ、湖面からの風を浴びて素晴らしく爽快な気分が得られます。


「マイ・スケッチブック」へ戻る。

「表紙」へ戻る