「童謡・唱歌の世界」のMIDIの曲を使用させて頂きました。


京都とその周辺の風景

 今迄に何回か、夏以外の季節に京都へ行って、市内の神社・仏閣などを巡り歩き、民家が立ち並ぶ街の中や、緑豊かな庭園や紅葉の美しい寺院など、四季の風景を眺め、それを水彩ペン画で描いてきました。10年ほど前から現在までに、京都市内の風景を約50枚ほど描きましたが、描いた年代や時期は様々ですが京都を東西南北の4地域別に分けて、その一部をまとめて掲載しました。




洛中・洛東の北部



京都御所の建春門

京都御所は安政2年(1855年)に再建され、2005年11月2〜6日の5日間、「安政御造営150年記念」として一般公開された際に描いたものです。建春門は紫宸殿前の回廊の東外側にある門で,内部の広場から見たものです。



京都御所の紫宸殿

一般公開は,大勢の参観者が行列して御所内を巡り歩きました。この時は同時に北側の皇后宮常御殿や飛香舎も公開されました。この絵は紫宸殿を見上げている参観者です。



二条城の二の丸御殿

世界遺産に登録されている京都市内の二条城にある国宝の「二の丸御殿」です。徳川初代将軍 家康が造営し、15代将軍 慶喜が大政奉還をするまで、将軍が上洛したときの宿泊所として使用されました。桃山文化の粋を集めた絵画・彫刻で装飾された武家風書院造りの建造物です。



二条城の二の丸庭園

二の丸御殿の庭にある特別名勝の「二の丸庭園」で、色彩に富んだ大小さまざまな石組みを配した庭園がある素晴らしい場所です。



下鴨茶寮

下賀茂神社の糺(ただす)の近くの高野川の傍にある茶懐石料理店で、安政3年(1856年)創業の歴史と伝統に彩られた老舗の店として親しまれています。



銀閣寺

慈照寺(通称 銀閣寺)の錦鏡池に影を落とす観音堂(銀閣)です。室町時代中期に足利義政が造営した東山山荘跡を寺院にしたもので,砂盛りの向月台のある庭園が見事です。



南禅寺の庭園

琵琶湖疏水のある蹴上げの近くに臨済宗南禅寺派の大本山「南禅寺」がありますが、その方丈に、小堀遠州作と伝えられる江戸初期の代表的な枯山水の庭があります。俗称「虎の子渡しの庭」と呼ばれ、国指定の名勝となっています。



南禅寺の塔頭「天授庵」

石川五右衛門の伝説で有名な南禅寺の三門(山門)の楼上から、枯山水や池泉回遊式庭園で有名な、開山塔のある天授庵を眺めたものです。慶長7年(1602年)に細川幽斎が寄進した本堂の周辺の紅葉が赤や橙、黄色に色づき始め、素晴らしい秋の風情を感じさせてくれました。



金地院の庭園

蹴上に近い南禅寺の境内に塔頭「金地院(こんちいん)」があります。金地院のの方丈の前庭は、「鶴亀の庭」と呼ばれており、南禅寺の方丈の庭と同様に小堀遠州が造ったといわれる蓬莱式枯山水の庭園です。



南禅寺の水路閣

南禅寺の境内を、ローマの水道橋を思わせる赤レンガのアーチが走っており、水路閣と呼ばれています。琵琶湖疏水の分流の水路で、明治21年に完成したこの建造物が新緑や紅葉に彩られる頃は、南禅寺の名所となっています。



永観堂(禅林寺)

南禅寺のさらに東奥にある禅林寺・御影堂前の極楽橋周辺の紅葉です。永観律師が施療院を建てるなど恵まれない人のために奔走したので、永観堂と呼ばれています。左手の奥に多宝塔が見えます。



無鄰庵の庭園

>南禅寺への参道近くにある無鄰庵(むりんあん)は、明治の元勲 山県有朋の別荘でした。その庭は小川治兵衛という造園家の作庭によるもので、東山を借景とする和洋折衷の開放的な雰囲気を持つ庭園です。現在は京都市が管理する史跡となっています。



祇園の舞妓さん

祇園の甲部歌舞練場前で見かけた舞妓さんです。ちょうど人力車に乗って「東山花灯路」の宣伝に出掛けるところでした。



祇園の町屋街1

祇園の伝統を伝える「重要伝統的建造物保存地区」の祇園新橋通りの町屋形式の街並みで、千本格子の出格子や、二階は張り出し縁に格子手すりなどで構成され、日除けの簾(すだれ)が下がっている民家が建ち並んでいます。



祇園の町屋街2

同じ祇園新橋通りにある、赤い提灯を軒先に下げた「本二階建て町屋茶屋様式」の店です。いかにも京都らしい風情のある土産屋さんです。



洛東の南部・洛南



高台寺

東山の円山公園から南に「ねねの道」を行くと、豊臣秀吉の菩提を弔うために北の政所(ねね)が創建した高台寺があります。境内には偃月(えんげつ)池と臥竜(がりゅう)池と二つの池を持つ庭園があり、池の上の書院と開山堂を結ぶ屋根付き廊には観月台(重文)があります。



清水寺の舞台

晩秋の東山にある清水寺の舞台を、奥の千手堂から眺めたところです。舞台の前のモミジの紅葉も、盛りの時期を過ぎてだいぶ葉が落ちておりましたが、まだその美しさを観賞することが出来ました。



東福寺の塔頭「普門院」の前庭

東福寺には本坊庭園や普門院(開山堂)の庭園など多くの庭園がありますが、この絵の庭園は常樂庵と呼ばれる2階部分が楼閣になっている開山 大明国師像を安置した開山堂の前庭で、このほか平庭式枯山水の庭もあります。



東寺の五重塔

京都市内の九条通に面した東寺(教王護国寺)の五重塔です。国宝の建物ですが、ちょうど秋季の内部公開が行われていて、一層目の塔内を拝観することが出来ました。



東寺の北側にかかった虹

東寺は延暦15年(796年)に羅生門を挟んで東西に建立された寺院の一つで、密教美術の宝庫として知られています。金堂、講堂、食堂(じきどう)が一直線に並んで建っています。私達が行った時は、北側の空に美しい虹が架かっていました。



醍醐寺の弁天堂

世界遺産になっている伏見区醍醐にある醍醐寺へ行きましたが,河津桜が満開でした。三宝院の庭や五重塔などの諸堂を見て歩きましたが,下醍醐の境内の奥にある赤い弁天堂の影が泉水に映って綺麗でした。



洛北および美山町



詩仙堂

京都の一乗寺にある史跡「詩仙堂」です。江戸初期の書家・漢詩の大家 石川丈山の住居跡で、現在は曹洞宗の寺院「丈山寺」となっています。詩仙堂の名の由来は、狩野探幽が描いた中国の36詩人の肖像画上にその詩を丈山が自ら書いて、詩仙の間の壁に掲げたことによります。庭園より見た堂上の楼「嘯月(しょうげつ)楼」を描きました。



大原の三千院

京都の洛北、大原にあるなだらかな山に囲まれた天台宗門跡の「三千院」です。本堂の宸殿前の苔に覆われた杉木立の中に紅葉が色鮮やかに映える有清園の庭が見られました。



鞍馬寺

牛若丸伝説の鞍馬山には鞍馬寺がありますが、京福電鉄鞍馬線の鞍馬駅から仁王門を潜り石段を登ってゆくと、山の中腹に尊天信仰の本殿金堂やいくつもの史跡が点在しています。私たちは奥の院を通って貴船神社まで山道を歩きました。



貴船神社

鞍馬山の奥の院から山を下ると貴船神社のある貴船に入ります。山あいの貴船の街には貴船川に沿って京の奥座敷として知られる料理旅館が軒を並べており、夏には川の上に風流な納涼床ができて川床料理が味わえます。貴船神社は水を司る神を祀る神社で、農業や酒造業など水と関係の深い人々が参詣に訪れるようです。



高尾の神護寺

紅葉の名所,高雄の神護寺の境内です。まだ紅葉が始まったばかりでしたが,金堂から五大堂と毘沙門堂を見下ろした景色は素晴らしい眺めでした。



美山町の[かやぶきの里]

京都から国道162号線(周山街道)を北に1時間ほど走ると南丹市美山町に着きます。2005年に訪れた時は、「かやぶきの里」がある北村地区は50棟ほどの集落で,そのうち住宅32棟と民俗資料館,店舗など6棟の計38棟が茅葺屋根の建築でした。古い家は青い苔が屋根を覆い,昔の民家のたたずまいを良く伝えていました。重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。



茅葺の民家

下平屋には北山型と呼ばれる民家をはじめ 多くの茅葺きの家が建ち並び,集落としての茅葺き民家の建築数は全国第3位ということです。



美山民俗資料館

北村地区の茅葺きの家々は,山の斜面や街道沿いに並び,ひな壇状の展開をしています。塀や生け垣が少なく開放的で,「美山民俗資料館」では内部の見学や管理人さんとの会話も出来,農家の間取りや生活具や資料が展示品されています。(2005.11.2.訪問)



洛西・嵯峨野



金閣寺(鹿苑寺)と鏡湖池庭園

将軍 足利義満が建てた山荘 北山殿を菩提所とした鹿苑寺(通称 金閣寺)の夕景です。鏡湖池の湖面に金色に映える3層の美しい金閣の姿が印象的でした。



鏡湖池に美しく映る金閣

前の絵を描いた時期より後に、再度描いたものです。1層目が寝殿造り、2層目が武家造り、3層目が禅宗仏殿造りという3様式を併せ持った構造をしています。



落柿庵

京都市内の西方、嵯峨野にある江戸時代の俳人 向井去来が住んでいた「落柿庵」の入口で,壁に蓑と笠が掛かった素朴な俳庵です。柿の実と紅葉した葉が秋の風情を感じさせます。



大覚寺

平安時代の嵯峨天皇の離宮跡であった嵯峨野の大覚寺の宸殿入口です。回廊で結ばれた諸堂が壮麗なたたずまいを見せてくれました。



嵐山の桂川に架かる渡月橋

京都から京福電鉄に乗ると、桜や紅葉の名所である終点の嵐山駅へ着きますが、駅近くの桂川の土手から見た渡月橋と対岸の嵐山の風景です。



雪がちらつく天竜寺の庫裡

将軍 足利尊氏が夢想国師を開山として1339年に建立した臨済宗天竜寺派の大本山で、世界遺産に登録された寺院です。何回か訪問しておりますが、2010年2月に行った時は小雪がちらつく寒い日でしたが、禅寺としての風情がありました。



天竜寺の庭園(秋の紅葉)

嵯峨野の天竜寺の方丈から見た夢窓国師が作った庭園(曹源池)の秋の風景です。この庭園は国の特別史跡名勝第1号に指定された名園です。庭園の木々も美しく紅葉していました。



天竜寺の庭園(冬の景色)

嵐山・亀山を借景とする池泉回遊式庭園の冬の天竜寺曹源池です。うっすらと雪をかぶった、観光客も少ない庭園も、なかなか風情を味わえる景観でした。



天竜寺の塔頭「弘源寺」

嵯峨野の天龍寺境内にある塔頭 弘源寺の入り口付近の晩秋の風景です。真っ赤に紅葉したドウダンツツジが、京の絵師たちが描いた「ふすま絵」などで有名な寺へ入る小径を彩っていました。



大悲閣(千光寺)

渡月橋から桂川(ここからその上流は大堰川と呼ばれる)に沿って嵐山の山腹道を西へ1 kmほど歩くと、大堰川の切り立った岩肌に建つ観音堂がある大悲閣(千光寺)に着きます。江戸時代の豪商、角倉了以(すみのくら りょうい)の建立した寺で、嵐峡を眺めることができます。



嵐山の保養所「すみのくら」

嵐山にある私達の定宿、嵯峨角倉町にある「すみのくら」保養所です。門前の向かい側に長慶天皇嵯峨東陵があります。


マイ・スケッチブックへ戻る。

表紙へ戻る